145「三日連続の大発狂と妹の一言」 平成30年4月

四月十六日、その日も父は大発狂しました。夕方私が仕事から戻った時にはいつものごとく庭の倉庫でお酒を飲んでいました。そして、副守護神の天狗がでしゃばって偉そうなことを何度もぶつぶつ言っていました。何度かそれを繰り返すうちに父の声は大声へと変わっていきました。そして、またついに隣近所の方の名前を出して大声で怒鳴りだしました。その日も妹が家に来てくれており、妹が何度も父を止めに行き、早く家の中に入るように促していましたが、父はいっこうに家の中には入ってこず、倉庫の中で大音量で音楽を聞き、酒を一口飲み出すとすぐにまた倉庫から出て来て隣近所の方のことを名指しで大声で暴言を吐くというとても酷い有り様でした。妄想による暴言も酷かったのでもう一つの副守護神の狸も出てきていたんだろうと思います。

地獄のような時間が何時間も続き、いつまで経っても父が家の中に入って来なかったので妹と二人がかりで父を家の中に引っ張ることにしました。私と妹が父の前に出向くと父は裏庭に用を足しに行きました。父は精神病になってから裏庭の奥の市が管理する緑地帯で用を足すようになってしまっていました。しかもそれは自分の家の前の範囲内ではなく隣の家の前の範囲でしていました。とんでもない非常識なことを父はやっていたんです。見ているだけで本当に腹立たしく、注意しても精神病の父は全く人の話を聞かず余計に私を攻撃してくるだけでした。隣の家の方にはとても申し訳ない思いでずっと過ごして来ました。ところが最近ではもっと酷くなっていたんです。我が家の裏庭と緑地帯の間には蓋のない側溝があるんですが、父はその側溝に用を足すようになっていたんです。我が家は坂道上に家があります。なので父が排泄した尿はそのままお隣の家の前の側溝へと流れていきます。父が側溝で用を足すようになったという話は妹からは聞いていましたが、その姿を私はその日初めて見ました。人の迷惑も考えずよくもこんなことができるもんだと後ろから殴りたくなるほど腹が立ちました。

殴りたくなる気持ちをどうにか抑え、ずっと怒鳴り続けていた父をどうにか玄関まで連れてきました。作業着や外で着る服装のままでは絶対に家の中に入ることができない父は倉庫で着替えてから来ると言い張りましたが、そんなことをさせたらまた倉庫でも庭でも大声で怒鳴るに決まっています。妹が「お父さんの着替えは私が持って来るから」と何度も言って聞かせましたが、父は聞き入れず玄関でも大声で怒鳴り続けました。そして、私が玄関から少し離れた隙に父は玄関で妹に掴みかかって妹の髪の毛をおもいっきり引っ張っていました。妹を助けるために父の腕を掴んだところで絶対に父は手を離さないことは分かっていたので父の顔を殴るふりをしました。案の定父は妹から手を離しました。今度は私が掴まって暴力を振るわれることになるので素早く家の中に逃げました。父は怒り狂い靴を履いたまま私を掴まえにこようとしました。今度は妹が父をなだめ、しばらく怒鳴り続けたあとようやく父は落ち着きました。そして、父は靴下と作業着を玄関で脱いでようやく家の中に入りました。

それから父にすぐ食事を用意して食べさせました。家の中に入ってからは父の精神状態はだいぶ収まりましたが、もう私も妹も精神的に疲れきっていました。三日間続けての大発狂でご近所中に恐ろしい思いをさせてしまいました。父が名指しで攻撃する方達の怒りと奥さんの恐怖を考えるともうどうしていいのか本当に分からなくなりました。浄霊もがんばってきましたし、御神前で何度も天津祝詞や善言讃詞を上げ必死にメシヤ様に祈っても父はお酒を飲むことをやめられず発狂してしまいます。妹が一言「明日もう連れて行くからね」と言いました。