129「裸で大暴れ」 平成30年3月

三月十六日、その日も昼から妹が家に来てくれ、直接ではないものの父に浄霊をしてくれていたようです。その日私が仕事から帰ったのが五時過ぎでしたが、その時ちょうど父がまた倉庫で大声を出し始め、妹が止めに行ってくれていました。妹に戒められその後父は外で大声で怒鳴り散らかしたい気持ちを自分なりに抑えたんだろうと思いますが、二度「あぁ」と短い大声を出したあと家の中に入ってきました。ですが、すぐに父は発狂してしまいました。台所のシンクに食べ物のカスが残っていたからです。水回りに異常なほど潔癖な父はそれを見て頭に血が上ったようでした。シンクに食べ物のカスが残っていたのは妹が台所で洗い物をしていた時に父が外で大声を出し始め、それを止めるために台所を離れたためだったんですが、妹が父にそれを説明するとさらに父は激怒しました。あまりに酷いので私も父のそばに行き文句を言うと父の大発狂が始まりました。

父はものすごい勢いで私に掴みかかってきて私に暴力を振るってきました。私が妹に助けを求めると妹は抱っこしていた子供を私の息子に預けすぐに助けに来てくれました。私と妹と二人がかりで大暴れする父を押さえようとしましたが、父の勢いはすごく、妹が父の片腕を押さえていましたが、私は父にもう片方の手で髪の毛をすごい勢いで引っ張られ倒されました。着ていた服も破かれそうになったのでいったん父が私から手を離した隙に着ていた上着を急いで着替え、乱れた髪の毛も引っ張られないようにくくり直しました。その間に今度は妹が父から集中攻撃をされており、ものすごい勢いで髪の毛を引っ張られていたので、父が妹から手を離すようにわざとこぶしで父の顔を殴るまねをしました。

父は妹から手を離し今度は私に殴りかかってこようとしましたが、私は父に掴まらないように家の中を逃げ回りました。その間に妹も乱れた髪の毛をくくり直しまた父を押さえようとしましたが、父はなんと服を全部脱ぎ、丸裸になって外に出て行こうとしました。おそらく丸裸で外で大声を出そうとしようとしたんだと思います。妹が玄関で父を押さえつけ、父が玄関の棚を倒そうとしたので私も父の腕を掴み押さえつけましたが、父もまた私に掴みかかってこようとしたので怒鳴り狂う丸裸の父から家の中を逃げ回りました。しばらく怒鳴り狂ったあとようやく父は収まり、疲れきったのか居間のソファーで寝出しました。

妹がいてくれたおかげで私は精神的にとても救われました。私は近視と乱視で目が悪く、父が暴れる時には眼鏡を壊されないようにいつも眼鏡を外しています。そのおかげで丸裸の醜い姿の父の姿もぼやけてはっきり見えなかったことも救いでした。発狂して掴みかかってこようとする父から逃げ回るのは久しぶりのことでしたが、私が逃げ回っている姿は息子から見ると追いかけっこをしているように見えるのか、息子は大はしゃぎしながら私と一緒に父から逃げ回り、危ないから部屋にいなさいと何度も息子に注意する始末でした。その日の夜は父はずっと静かでした。