390「稲荷神社と狐の祠」令和5年10月

十月七日になりました。一週間の仕事を終え今日はやっと休みです。今の仕事を始めて一ヶ月は過ぎましたが毎日くたくたです。作業の場所にもよりますが、尋常でないほど忙しい所を担当になった日はもうあまりにも疲れすぎていて家に帰って家事をするのもとてもきついです。十年以上勤務している人がたくさんいる一方で新しく入った人はすぐ辞めていく、そんな職場です。私は短期募集で入ったためあと三週間がんばれば契約修了なのでどうにか最後までがんばるつもりでいます。

先週と同様今日も神社参りの話を書こうと思います。先週の日曜日は妹と甥っ子と三人で鹿児島神宮に行きました。いつもならだいたい妹から誘われて神社参りに行くんですが、今回の鹿児島神宮は自分から行きたいという気持ちが沸き起こり妹を誘って行きました。鹿児島神宮にはこれまでに二、三回は行ったことがありますが最後に行った日から五年以上は経っています。自分からどうしても行きたいという気持ちになったのは鹿児島神宮に何かあるんだろうなと思いました。その日もまた黒いアゲハ蝶が出迎えてくれました。

鹿児島神宮は本殿の横にいくつかの神社があります。そこには今までも参拝していました。きっと私が行ったことがない所が他にあるんだろうと思い右奥を見たら鳥居が見えました。奥に稲荷神社があったようで、三人でそこへ向かいました。朱い鳥居をいくつもくぐっていくと二つの神社がありました。左側が大多羅知女神社で右側が山神社とありました。山神社が大山祇命だということは分かりましたが大多羅知女神社の御祭神が分かりませんでした。この二つの神社が門守のようになっていてその奥に稲荷神社があるのでこの神様より狐の方が位が上なのかぁと思いながらさらにまた奥へと上って行きました。

稲荷神社の前まで行くと一人の年配の男性が参拝をされていました。祝詞を上げておられたので邪魔をしないように鳥居の前で待っていました。私は何の理由も分からずその稲荷神社に行っていたのでその男性を見て今日の案内役の方なんだろうなと思っていました。その男性は稲荷神社で参拝を終えると今度は左奥の山の前で参拝をしていました。何をしているんだろう、山に向かって参拝しているんだろうかと思いながら見ていました。

その男性の参拝が終わってこちら側へ戻ってきた時に妹と一緒に何をされていたんですかと尋ねました。そしたら狐が祀られていると教えてくれました。「こっちは動物の世界の神だから山に入る時にはその神様にお参りしないといけない」と教えてくれました。その方は林業をされていて定期的に参拝に来られているようでした。その方の話を聞いて御教えを思い出しました。御教えには山を穢すとその山にいる天狗が怒るとあります。天狗に連れ去られて遠くまで飛ばされたりする話もあったと思います。また、鳥屋などはたくさんの鶏を絞め殺すので月に一度は供養をした方がいいというような御教えがあったと思います。山の話と動物の話と重なりますがそういった御教えを思い出しました。その男性は林業をされていてどうしても山で動物を蹴って追い出すようなことがあるようなので定期的に参拝されているようでした。こうやってちゃんと定期的に参拝されている方は動物を傷つけたり殺したりする職業の方でも動物の恨みによる災い、病気は起こらないんだろうなと思いました。

その男性が帰られたあと妹と稲荷神社で参拝をし、左奥に進むとその男性に教えてもらった通り祠があり小さな陶器の狐がいくつも祀られていました。少し下がった岩穴にあるので離れた場所からでは一切そこは見えません。その男性に教えてもらわなかったら一切気づかなかったはずです。そして、ほんの数分時間が違えばその男性とも会っていなかったはずです。やっぱりその方は霊界からの働きで用意してもらった案内役の方だったんだなと思いました。

今日は仕事が休みだったので先週行ったその神社についてネットで調べてみました。門守のような形で二つ並んでいた大多羅知女神社の神様は神功皇后のことだったようです。そして、稲荷神社の御祭神は宇賀魂命(ウカノミタマノミコト)、大宮売命猿田彦命とありました。私は今まで稲荷神社にはほとんど行ったことがあまりません。記憶にあるのは一度か二度くらいだと思います。稲荷神社は狐を神様として祀っているというイメージだったからです。今日数年ぶりに稲荷神社に関する御教えをネットで確認しました。「太初の時代、人口が漸次増加するに従い、主食の増量が必要となったので、天照大御神は五穀生産の担任者として豊受明神に命じ給い、全国的に稲穂を頒布されたのである。その際、今日と違い交通不便のため、豊受明神は狐に命じ給うたのである。」とありました。この御教えは覚えてはいましたが、狐のことを稲荷と呼ぶ場合もあるためと神社には本物の御神霊やその分霊ではなく動物霊が蟠踞している神社が多いという話などが混同して稲荷神社は狐を祀っていると思ってしまっていました。狐は御祭神ではなく神様の遣いでした。稲荷神社の御祭神のことを知ってその手前に門守のようにあった二つの神社にも納得しました。御教えの豊受明神が宇賀魂命のことなんだと思います。そして、岩穴の祠に祀られていたいくつもあった陶器の白い狐を思い出し、あれは白狐を祀っているということだったのかと思いました。

何の下調べもせずに行った鹿児島神宮でしたが意味のある参拝でした。