389「霧島神宮」令和5年9月

九月二十四日、その日私は息子と妹と甥っ子と出かけました。お彼岸だったのでまずは墓参りに行き、そのあとは霧島市にある妹のおすすめの店でランチをして、それから猿田彦神社に行きました。その猿田彦神社はとても小さな神社でした。その日は神社参りは猿田彦神社だけのつもりで、神社参りのあとは霧島の滝の上部を見に行く予定でした。そこへ行く途中に霧島神宮があり、妹がトイレに行きたいと言い出し霧島神宮の駐車場にあるトイレを借りると言い出しました。神社に行っていながらただトイレを借りるだけというのはおかしいので急きょ霧島神宮も参拝することになりました。

鳥居をくぐると黒のアゲハ蝶が出迎えてくれました。社殿の前には参拝者が列を作って並んでいました。空を見上げると社殿の右上に龍神がいました。私は霧島神宮には今までに何度も行っています。ですが、霧島神宮龍神を見たのは初めてでした。妹も空を見上げ自分で龍神に気づいたようです。そして、妹が龍神に気づいたと同時に六歳の甥っ子も龍神に気づきました。空を見上げて「ドラゴンがいる」と言ったんです。他の参拝者で龍神に気づいた人がいたかどうかは分かりませんが甥っ子には驚きました。

私達家族は霧島神宮に行った時には必ず社殿の左手奥にある山神社に行きます。木花咲耶姫の父親の大山祇神が祀られています。そこに向かう時にもまたアゲハ蝶が姿を現しました。山神社の鳥居の前でもまたアゲハ蝶が出てきました。大山祇神に呼ばれているように思えました。

大山祇神は妹の縁結びをしてくださった神様です。霧島神宮の裏にある山神社のことを人から聞きお参りに行った一ヶ月後妹は出会いがあり、その男性とお付き合いが始まり甥っ子を授かったんです。妹はお腹に子供を授かったものの残念ながらその男性とは結婚にはいたらず未婚の母とはなってしまいましたが、妹は子供と二人幸せに暮らしています。子供を授かったことは妹にとっては人生最大の幸せだと思います。大山祇神はそういった御縁のある神様です。今回山神社でもアゲハ蝶に出迎えられもしかしたら私にも御縁をいただけるんじゃないかと思ってしまいました。別れた彼のことは今もまだ忘れることができない状態です。サイコパスである彼のことを心配する気持ちと人としてありえないことをやった彼に対する怒りの気持ちもあります。

彼のことはもう忘れるべきなのか、私はもう恋愛なんてするべきではないのか分かりませんが、大山祇神様に「幸せになれますように」と祈りました。恋愛の苦しみが消えさえすれば恋愛なんてしなくても幸せに暮らしていけるはずです。なのでただ幸せになれますようにとだけ祈りました。