227「離婚後も続く苦しみ 」 令和2年1月

冬休みの一月三日から七日まで息子は福岡に住む離婚した元夫の家に遊びに行っていました。息子は四つお年玉をもらっていました。元夫、元夫の両親と二人いるお姉さん達からです。他人から見れば離婚しているのにそんなによくしてもらっていい関係を築けているんだと思われるかもしれませんが、私はその逆で、そのことによってまた思い出したくない過去の苦しみが脳裏に蘇ってきて心が沈みました。

結婚生活で元夫の実家のことで私が精神が崩壊するほどの苦しみを味わったことは最初の体験談やその後にも書いているのでここでは省きますが、離婚して五年が経ち普段の生活の中ではもうそのことを思い出して苦しむことはないんですが、息子が彼の実家の人達に関わるたびに私の心はえぐられます。離婚してからこの五年間春休み、夏休み、冬休みは毎回息子を元夫に会わせてきました。彼が鹿児島県内で宿をとって一泊だけ息子と過ごすこともありましたが、彼が息子を我が家まで迎えに来て、福岡まで連れて行き、何泊か泊まらせてからまたこちらに送り届けるということがほとんどでした。息子を彼に会わせることは何も問題はないんですが、問題なのは彼の住む家に泊まらせることは一泊ぐらいでほとんどが彼の両親の住む実家に息子を泊まらせていたということです。そのたびに私はまた当時の苦しみが蘇り、感情がぐちゃぐちゃになりました。私がどれほど苦しんできたか彼には何度も訴えてきましたが、彼は毎回毎回息子を自分の実家に泊まらせていました。

ですが、今から一年半前の夏に彼が再婚することを私に報告してきました。それを機に今後息子を実家に泊まらせるのはもうやめてほしいとお願いしました。私がそれまでぐちゃぐちゃになる感情を必死に抑えて我慢していたのは彼にとっても大事な宝物である息子の親権を私がもらい、彼に辛い思いをさせてしまったのでなるべく彼の希望を叶えたいと思ったからです。彼が再婚し新しい家庭を築き幸せになるのなら私はもうこれ以上我慢する必要はないと思い、息子を実家の人達に会わせるのは構わないが、実家に泊めるのではなく責任を持って彼の家に泊めてほしいと伝えました。彼も了承し以後彼の実家に息子を泊まらせるということはしていません。

ですが、私の本心は息子を彼の実家に連れて行くことももういい加減やめてほしいと思っています。彼の実家に泊まらせるということはやめてもらいましたが、泊まってはいないというだけでどっちみち毎回息子を彼の実家に連れて行っています。私自身が直接関わっているわけではないですが、息子を通して結局はまた私も間接的に彼の実家の人達と繋り心が苦しくなります。苦しくて苦しくてたまらないから離婚しているのに離婚してもまだ完全に苦しみから解放されないという状況です。

世間一般では離婚した夫婦の子供はだいたいが母親が親権を得て育てています。私と同じように時々子供と父親を会わせているという家庭もたくさんあると思います。ですが、離婚して時々子供に会っている世の中のお父さん方はそのたびに自分の両親にも子供の顔を見せたいと思うものなんでしょうか。自分の奥さんが自分の親兄弟との関係で精神が崩壊してうつ病になり、その別れた奥さんが離婚後もずっと自分の親兄弟のことで悩み苦しんでいると分かっていてもそれでも自分の両親を喜ばせるために子供と会わせようとするものなのでしょうか。私はそれをとても疑問に思ってきました。私はその原因は彼がマザコンだからだと思っています。彼は母親だけでなく両親への尊敬と愛情が異常なほど強いように思えます。マザコンファザコンの人というのは配偶者や恋人がどんなに必死に訴えても父親母親の気持ちを一番に尊重し、大切にし、最後の最後まで父親母親の味方をする人間なんだと思います。

今から七年ほど前、私の精神が崩壊し彼と家庭内別居のような状態だった時に彼から一生忘れることもない言葉を言われました。彼の実家のことを私が彼に必死に訴えていた時に彼から「親は裏切れんけん」と言われました。「裏切るとか裏切らないとかの話なの?私のことを一番大事に思ってくれないの?だったらそんな人もういらない」と思いました。嘘でもいいから私のことが一番大事だと言ってほしかったです。彼のその言葉でもうはっきりと離婚の決意ができました。

彼の実家に対する私の苦しみというのは結婚したお義姉さんがずっと実家暮らしをしていたということなどいろいろあったんですが、彼の両親に対する尊敬や愛情が異常なほど強く、親の気持ちばかりを尊重され続けたせいで私の精神が崩壊してしまいました。ですが、彼の両親はとてもいい人達です。とてもよくしてくれていたのに私にはどうしても理解できない苦しいと思うことがいろいろありうまくいきませんでした。

親を大事に思う気持ちが私から見ると異常なほど強い元夫が息子と会う時に息子を毎回自分の実家へ連れて行くことに私が苦しみを感じなくなる日がくればいいんですが、それはなかなかできないです。「もうあなたの実家に連れて行くのもやめてください」とその一言が言えず、私は離婚して五年経ってもまだ苦しみを抱えています。