354「ごみ箱に女性の携帯」令和5年1月

一月十五日になりました。日記を書くのは約三ヶ月ぶりです。書きたいと思うことはいろいろあったんですが、ずっと書かずにいたのは仕事で毎日くたくたに疲れていたことと彼との関係で心がやさぐれていたからです。ですが、今日はもうどうしても書いておきたいと思う衝撃の出来事があったので、その出来事とこの数ヶ月のことを書きます。

夏に喧嘩別れをした彼とは今もまだ別れた状態ですが、私は今でもまだ彼のことを忘れることができず、今もまだ彼と連絡を取り合っています。夏に彼と喧嘩になった時、彼は近所中に響き渡るほどの大声で怒鳴り続けました。その日は甥っ子を預かっていたため、私は甥っ子がいる時に怒らないでほしい、怒鳴らないでほしいという気持ちが強くありました。そして、大声で怒鳴られ続けた私はその場にいることに耐えきれず息子と甥っ子を連れて彼の家を出ました。それまでにも彼と喧嘩になった時に彼の家を出て行き、別れたこともありましたが、その後すぐにまた復縁しました。ですが、その夏の喧嘩の時には「出て行ったらもう本当に別れるからな」と言われました。散々大声で怒鳴られたあげく脅迫のような言葉を言われ私もその時は彼との別れを決意し、彼の家を出て行きました。それから数日経ち自分の気持ちが落ち着いてからはやっぱり彼のことが気になり彼のことばかり考えてしまい、彼に連絡をしましたが、彼にはもう全く私とよりを戻す気はありませんでした。喧嘩なのでお互いの言い分があり彼の言う事も理解はできるんですが、彼が大声で怒鳴り続けたことに対して私にはどうしても彼に謝ってもらいたいという気持ちがあり、彼に対し自分が悪かったと心から謝るということができなかったので、それを彼は許せなかったんだと思います。

八月上旬に彼と喧嘩別れをし、そこから一ヶ月ほどは彼との復縁を願い彼と連絡を取り続けました。八月中旬に市役所に行き、彼と半同棲のような生活をした約一年分の児童扶養手当を返金することになっただけでなく、彼とは別れているものの彼との復縁を望んでいた私は児童扶養手当の再申請もせずにいました。ですが、生活も大変で、彼と一ヶ月半ほど全く連絡をとらなくなってからようやく市役所に行き、児童扶養手当の再申請をしました。そして、それまでに三度児童扶養手当の返金分を納めていたんですが、再申請をしてからは残りの返金分に関しては今後もらえる児童扶養手当をそのまま返金にあてることになりました。

児童扶養手当の問題もあるので私とよりを戻す気持ちが全くない彼と連絡を取り合うのはよくないとは思ったものの、彼のインスタグラムは毎日見てしまい、そして、先月ショッピングセンターの駐車場で彼の車を見かけ、彼にラインを送ってしまいました。彼からはすぐ返事がきて実際は私の勘違いで私が見たのは彼の車ではなかったんですが、そこからまた彼と連絡を取るようになり何度か彼に会いました。ですが、何度話し合っても彼には頑なに復縁を断られました。彼は夏に喧嘩をした時に私が別れを決意し彼の家を出て行ったことで、そうとう傷ついたんだそうです。そして、もう絶対に戻らないと決めたそうです。過去にうつ病を患い三度自殺未遂をしている彼は精神を病みやすく、おそらくそうとう病んだんだと思います。彼はネガティブモードになり、「俺は誰とも向き合えない、誰とも付き合えない」と何度も言っていました。ですが、一方で彼は多重人格で気分屋でもあるので誰とも向き合えないと言っていながら私と一切連絡を取り合っていなかった期間に合コンにも行っており、そこで知り合った人と連絡を取り合ってデートまでしていました。

何度復縁を持ちかけてもだめだったので私もまた彼に連絡をするのをやめ、彼のインスタグラムを見るのもやめました。正確にいうと、彼のインスタグラムのストーリーズを見るのをやめました。ストーリーズは誰が見たかが分かるそうなので、私が未練がましく彼のインスタグラムを見ていると思われたくなかったからです。

彼への連絡をやめ、彼のインスタグラムのストーリーズも見なくなってから八日経った一月二日の晩、夜中の二時半に彼から電話がきました。電話に出ると彼はお酒を飲んで酔っ払っており、「今から富士山の樹海に行く。今高速インターに向かってる」と言いました。富士山の樹海に何しに行くのかと聞くと、樹海に入ると方位磁石も効かなくなり迷って出て来れなくなり、樹海に入ってしまった人は餓死して死んでしまうそうで、自殺するために樹海に入る人もいるんだと言いました。そこへ彼が向かうと言っているので彼が病んでいることが分かり、そのまま電話を切ることなんてできず、「すぐうちに来て」と彼を呼んでしまいました。その電話で話していた時彼はただ病んで自殺をほのめかすようなことを言っただけでなく、「病むと人の肉を食べたくなる」、「知らない方がいいこともあるんだよ」とも言っていました。相変わらずサイコパスなんだなと彼のことを恐ろしく思いましたが病んでいる彼のことが心配で彼を家に呼んでしまいました。そして、またそこから彼と連絡を取り合うようになりました。

彼と連絡を取ったり会ったりすれば私はまた彼との復縁を考えてしまっていたんですが、それでもやっぱり彼には私と復縁する気が全くないようでした。情けない話ですが私は完全に彼の遊び相手のような存在になってしまっていました。そして今日、彼から恐ろしい発言が出ました。昼間に息子と彼の家に行ったんですが、不燃ごみのごみ箱を開けた時にピンク色の携帯が一番上に捨てられていました。どういうことだろうと思い彼に聞くと彼がその携帯の電源を押しました。携帯の待ち受け画面は幼い二人の子供の写真でした。ロックがかかっていて待ち受け画面しか見れない状態でした。誰の携帯かと聞くと彼は「誰かはいちいち覚えてない。食べたから。その子供の母親なんでしょ。シムカードは抜かせてもらった。場所を特定されたら困るから」と言いました。そして、目の前のキッチン収納の扉を開け、数本ある包丁のうちの一本を手に取り「ほら、塩分がついて錆びてる」と言いました。「なんで塩分がついてるの?」と聞くと「腸の、、、」と言葉を濁していましたが、私ももう恐ろしくてそれ以上聞きたくない思い、「相変わらずサイコパスだね」と言いました。彼は私を壁に追いやり何と言われたかははっきりとは覚えていませんが、脅迫のような言葉を言われました。二人の子供の写真が待ち受け画面になっていたのでもしかしたら彼が二年前に少しの間同棲をし、婚約を破棄した女性が昔に使っていた携帯がでてきたのかもしれないとも思い「もしかして○○さんの携帯じゃないよね?」と聞くと彼は数秒経ってから「そんなわけない。豚を食べる時にいちいちその豚がどこの豚かなんて調べるか?」と言いました。出会ったばかりのどこの誰かも知らない人の携帯のようでした。「俺はモンスターだから」とも言っていました。彼の言ったことは冗談なんかではなく本当の話なんだと思いました。飲み屋かどこかで知り合った女性を殺ったんだと思いました。ですが変に話を続ければ親子共々殺されるかもしれないので彼の話を信じてないていで話しをかわしました。そして、顔が引きつらないように気をつけながら一緒に出かけないかと彼を誘いましたが、彼も忙しかったようで、恐怖を隠し自然に振る舞いながら彼の家を出ました。彼も余計なことを喋ってしまったと思っているかのような表情をしていました。

彼とこれ以上関わり続けていると私もいつ彼に殺されるか分からないので約三ヶ月ぶりにこの日記を書くことにしました。