284「彼の結婚生活」 令和3年5月

五月二十八日になりました。今日は仕事が休みです。これまで彼の子供に配慮して書けなかった彼から聞いていた彼の結婚生活のことを書きます。

彼は高校卒業後自衛官になり香川に赴任されました。そして、しばらくして彼は付き合いだしたばかりの彼女に子供ができ結婚しました。ですが、その奥さんのお腹の中の子は彼の子ではなかったんです。たぶんスナックだったと思いますが、その奥さんは飲み屋で働いていた人です。付き合いだしてすぐに子供ができたので彼も早いなとは思ったようですがエコーに映る子供を見て子供を幸せにしようと思ったそうです。

お腹の中の子供が自分の子供ではないと分かったのは彼の職場の上司の言葉だったようです。その上司は「あいつは俺の子を育てようとしてる」というようなことをまわりに吹聴していたそうです。自分の子供だと思って父親になる覚悟をしていたのにお腹の中の子供はよりにもよって職場の上司の子だったんです。彼と付き合いだした時には飲み屋は辞めていたそうですが、彼と付き合いだす直前までその女性は店にお客さんとしてきていた彼の上司と体の関係を持っていたということだと思います。その上司は家庭のある人だったと確か彼から聞いています。彼の奥さんは飲み屋で働き家庭のある男性と不倫をしていたんです。その上司はしばらくして転勤になっていなくなったそうです。

彼はその女性のお腹の中の子供が自分の子ではないと知りそうとう苦しんだと思います。ですが、エコーに映る子供を見た時に自分の子供だと、幸せにしようと決めていたので子供を堕ろさせることなんてできなかったそうです。

彼は奥さんの裏切りを知ってそれ以来奥さんとの夫婦の関係も一切持たなかったそうですが、一度奥さんと子供を連れて実家に戻ってきたことがあり、その時に気持ちが盛り上がり奥さんと夫婦の関係を持ったら二人目の子供ができたそうです。彼に二人の子供の写真を見せてもらいましたが、二人とも男の子ですが次男は顔も体型も彼にそっくりでしたが、長男は顔も体型も彼とは全く似ていませんでした。私はその写真を見るまでは彼の話を完全には信じていませんでした。彼の上司と奥さんが不倫関係にあったことは事実だったとしてもお腹の中の子供は彼の子だという可能性だって十分あるんじゃないかと思っていました。信じてもらえず奥さんもかわいそうだったなとも思っていました。ですが、二人の子供の写真を見て彼の話は本当だと確信しました。

彼は結婚生活は本当に大変だったと言っていました。最初から裏切られているので幸せな生活というのはなかなか難しいとは思いますが、その奥さんは家事をあまりしない人だったそうです。彼が夜遅くまで働いていた頃も彼が仕事から帰ってから洗い物をして、職場の制服にアイロンをかけ、寝る時間も短かったそうです。子供が夜泣きをしても奥さんは起きてこず、夜中は彼がいつも子供にミルクをあげていたそうです。何度話し合いをしても奥さんは変わらなかったと言っていました。何を言っても話が通じず、宇宙人と会話してるみたいだったと言っていました。

子供を幸せにすると決めて結婚したものの彼は自分が大事にされていない、自分が愛されていないという感情が溢れていったんだと思います。そして、職場での柔道の練習中に足を骨折し、怪我と家庭の悩みと両方が重なって彼はうつ病になりました。自分がうつ病になっても奥さんから労りの言葉などもなく彼も限界だったようです。結局彼は奥さんと離婚しました。ですが、彼は今も二人の子供のことを大事に思っています。特に血が繋がった次男よりも血が繋がっていない長男の方がより愛情があると言っていました。奥さんのことはずっと憎んできたけど、今は子供を産んでくれたことだけは感謝してると言っていました。

この一年間彼が関わった婚約までした女性といい別れた奥さんといい彼は飲み屋の女に関わったがゆえに不幸な目にあっています。彼はもう二度と飲み屋には行かないと言っていましたが、彼は酒好きなのでまたふらっと飲み屋に行くことがあるかもしれません。そして、また飲み屋の女に引っかかって足をすくわれるのかもしれません。

彼が人を殺し人の肉を食べたのが本当のことなのかどうか分かりませんが、もしかすると第三の飲み屋の女が現れてそのことがはっきりと分かる日が来るかもしれないと思たったりもします。弥勒の世、地上天国にはスナックやキャバクラ、ホストクラブなどはないはずですが、審判期の今はこういったものに関わる人達が一役買うのかもしれないと思えます。