158「入院して一ヶ月」 平成30年5月

五月十七日、父が入院して一ヶ月経ちました。あっという間の一ヶ月でした。五日に一度くらいの頻度で妹が父に面会に行き、父の洗濯物や父に頼まれた物を届けたりしてくれています。父が入院して十三日経った日から父がまたおかしなことを言うようになり、父には二、三回遠隔浄霊をし、それ以降は父の精神状態も落ち着いたようなので、父への遠隔浄霊もしていません。

父が入院してからの一ヶ月の間妹がとてもよく動いてくれました。まずその一つが父の洗濯物です。病院内にコインランドリーがあるので、入院している他の患者さんは自分でコインランドリーに行って洗濯しています。ですが、異常なほど潔癖の父は病院内のコインランドリーを使うことができません。洗剤に対してかなり潔癖なので、洗剤を入れたあと家で洗う時のように手をごしごし洗うことができないことや洗濯のすすぎ洗いが家でやる時のように念入りにできないことや他人と一緒の洗濯機を使うのも嫌なのかもしれません。なので洗濯は妹に家でやってくるように頼んでくるんだと思います。

そして、妹は父がいなくなった後の家の中と庭の片付や掃除をがんばってくれています。我が家は父が発狂して暴れて家の中はいろんな所が壊れました。父が殴って壁に何ヵ所も穴が開いています。襖もぼろぼろになっています。トイレのドアも破壊されてぼろぼろです。玄関のガラスもヒビが入って一部割れています。そして、我が家は庭もぼろぼろです。統合失調症になった父は考え方や行動がおかしくなり、四、五年前から庭の土を掘り返して土の中に埋まっていた水道管などのパイプに添ってセメントを作り出しました。我が家は前庭も裏庭も全く意味のないセメントだらけになっており、最後にセメントを作ってからもう三年ぐらい経っているにも関わらず父はそれをそのまま放置しています。セメントの回りは土が掘り返されたままの状態なので雨が降ったあとは庭にいくつもの小さな池ができます。妹の知人が父の作ったセメントを見て遺跡みたいだと言いました。迷路の形のように作り上げられたセメントは確かに遺跡のように見えます。精神病になると思考が大きくずれていくのでとんでもないことを一生懸命やりだします。家族の忠告も一切聞かず、本人のやることを否定するようなことを言ってしまうとキレて憎まれます。私も妹も散々不愉快な思いをし、苦しみました。

父がいなくなったのでようやく庭を元通りに戻す作業を始めることができましたが、それも簡単なことではありません。父が掘って捨ててしまった庭の土の量はかなりあります。妹が知人の男性にお願いして業者から土やら砂利石を買って軽トラックで運んでもらって庭に入れましたが、現段階で二度やってもらっていますがまだまだ土が足りません。父がやらかした後始末は本当に大変です。ぼろぼろだったトイレのドアも妹の知人の方が直してくれました。壊れた板を剥がし、新しく薄い板を買ってきてきれいに取り付け、壁紙も貼ってくれました。そしてようやくトイレのドアノブも取り付けることができました。もう半年ほどトイレのドアノブもない状態だったのでやっと元通りになりました。

父が入院してからもう何度も妹と話し合っていることですが、退院後父をまたこの家に戻すことはもうできないと思っています。父は家族や親戚、ご近所の方々を散々苦しめてきました。父のせいで毎日怯え、生きた心地のしない生活を周りにさせてきました。父がこの家に戻ってくることを望んでいる人間なんて誰もいません。戻ってくればまたご近所の方々が怯えます。私自身ももうあんな苦しい思い、恐ろしい思いは二度としたくありません。父の精神病は宗教が関係していることではありますが、父自身の心の中にある人への恨み憎しみ、嫉妬などの感情を邪神の思うがままに利用されとんでもない醜態をさらし周りを苦しめてしまったことには変わりありません。たとえ父がまともな状態になったとしてもそれでももう私は父と一緒に生活するのは嫌です。父が入院している病院ではアルコール依存症の患者の入院は半年となっていますが、状況によっては入院も延びるそうです。そして、病院と併設されている施設もあるそうなので、場合によってはその施設に移り生活してもらうという方法もあります。半年して退院となった場合父をどうすればいいのか本当に悩みます。

このまま父が家に帰ってこないのであれば私ももうこの家に住む必要もなくなるので息子を連れ県営住宅か市営住宅に引っ越して生活するという選択肢も出てきました。ですが、一番の問題は御神体とメシヤ様の御写真です。我が家には床の間があるので御軸の御神体と御写真を御奉祭させていただいていますが、県営住宅か市営住宅に移り住めば御神体と御写真の御奉祭が難しくなります。私はもうどこの教団にも所属していないので県営住宅等に引っ越した場合新しく御額の御神体をいただいたりすることもできません。我が家の御神体はメシヤ教から離れる直前でいただくことができた⦿の大事な大事な御神体です。絶対に手放すことのできない大事な御神体です。なので父にとっては不愉快なことかもしれませんが、父が建てた父のいないこの家で私はまだ当分は生活していくことになるだろうと思います。