306「彼の消えない苦しみ。奥さんと上司の裏切り」 令和3年12月

十二月四日になりました。前日の十二月三日は山梨や和歌山などで大きな地震が相次ぎました。同じ日に地震が相次ぐということに大きな不安を抱えた方も多かったんじゃないかと思います。霊界の働きによるものだと思いました。

今日はどうしても書いておきたいと思った彼が今でもずっと忘れることのできない話を書きます。以前にも書いていることですが、彼には別れた奥さんとの間に二人の子供がいます。そして、彼と彼の長男は血が繋がっていません。彼の元奥さんが飲み屋で働いていた時に家庭のある人と不倫関係になりできた子供です。そして、その相手の男性はよりによって彼の職場の上司でした。その話は一年半前から彼から何度も聞いている話なんですが、私はこれまではその彼の元上司に対して特に何の感情も抱かずに彼の話を聞いていましたし、私が実名を出して何もかも書いてしまっている以上その方のことをあまり書くわけにもいかないなと思ってきました。ですが、最近になって気持ちが変わりました。彼が今でも「上司に裏切られた」という気持ちを持ち続け苦しんでいるからです。

彼は当時香川で自衛官として働いていました。香川に配属されてすぐに彼女ができ、付き合いだしてすぐにその彼女から子供ができたことを打ち明けられました。彼はその時十九歳でしたが、自分に子供ができたことを純粋に心から喜んだそうです。そして、エコーに写る彼女のお腹の中の子供を見て本当に感動したそうです。

彼が配属された部署には彼と同郷の上司がおり、その上司は彼のことをいつも気にかけてくれ、「(お腹の中の)子供は元気か?」などと声をかけてくれていたそうです。彼は自分のことを気にかけてくれるその同郷の上司のことを慕っていたそうです。ですが、ある時彼は職場で「あいつは俺の子供を育てようとしている」とその上司が周りの人に言っているのを耳にしたそうです。彼はそんな話は嘘だと信じられなかったそうです。彼女に事実確認をしたそうですが、彼女は彼の子供だと言い張ったそうです。

ですが、彼女が嘘をついていることがばれる出来事が起こりました。彼がその彼女と一緒にスーパーに買い物に行っていた時に偶然その上司と会い、その時に彼女とその上司がアイコンタクトをとっているのを彼は見てしまったそうです。職場でのうわさはデマだと、お腹の子供は彼の子だと言い張る彼女の言葉を信じていた彼はその瞬間に自分が騙されていたことを悟り、頭の中が混乱状態だったそうです。そして、彼はスーパーの袋を手に握りしめたまましばらくその場を動けなかったそうです。

その出来事があり、もう嘘は通じないと観念したのか、彼女はお腹の中の子供が彼の子供ではないことを認めたそうです。そして、子供は堕ろすと言ったそうです。ですが、彼は自分の子供ができたと本当に心から喜び、実際にエコーに写る子供の姿まで見てしまっているので子供を殺すことなんてできないと悩み、そのままその彼女と結婚して子供の父親になる覚悟をしました。相手の同郷の上司に対しては本当に憎いという思いがあっただろうと思います。いつも「(お腹の中の)子供は元気か」と声をかけてくれていた上司が子供の本当の父親で、「蔭では俺のことをバカにしていたのか」という怒りの感情で彼はそうとう苦しかっただろうと思います。その上司や上司の家族に訴えようという気持ちもあったようですが、そんなことをすればその上司の奥さんや子供も苦しむことになる、自分が我慢すればうまく収まるんだと考え彼はその上司や家族に訴えるということもしなかったそうです。

子供の父親になる覚悟をしたものの嘘がばれたとたん彼女は家事をしなくなり、籍を入れて子供を産んでからも奥さんは育児もまともにできず、彼の結婚生活はとても大変なものだったそうです。おそらく奥さんは奥さんなりに家事や育児をがんばっていたんだろうとは思いますが、彼はその当時だいぶ神経質だったようなので、そのせいで結婚生活がうまくいっていなかったという面もあるんだと思います。

そして職場での昇進のかかった柔道の練習中による足の骨折も重なり彼はもう精神的にも限界がきてうつ病になりました。頭がおかしくなり自殺しようと死に場所を探していた時に彼は先祖の働きにより一命を取りとめました。ですが、そのあとも彼の精神状態は悪く、病院に行きまた自殺しようとして処方された睡眠薬を全部飲み、倒れ、精神病院に入院となり隔離室に入れられていましたが、そこでもまた箸を折って自分の腕を刺し死のうとしたそうです。

半年ほどの療養後彼は奥さんとの離婚の話になり、「お前には子供は育てられない。子供は渡せ」と子供の親権をめぐり何度も喧嘩になったそうですが、奥さんも子供は絶対に渡さないとのことで、結局は子供の親権は奥さんがとり彼は子供を手放すことになりました。彼は奥さんとの結婚生活は全くうまくいかなかったようですが、子供を幸せにするということだけを考えて生活していたため、離婚して子供を失うことになり生きていく理由もないといった絶望に陥ったそうです。いつ死んでもいいと思っていたそうです。

奥さんと上司の裏切り、常に喧嘩ばかりの結婚生活、離婚して子供を失った悲しみでついに彼は我を失い彼は人食い殺人犯になってしまいました。正確には今の時点では彼が本当に人を殺し人の肉を食べたのかどうかは分かりません。彼の幻覚と思い込みである可能性もあります。一週間ほど前に彼と別れの危機になった時にイライラしだした彼は「俺また人の肉食べるわ。またカーニバルがはじまるわ」と恐ろしい発言をしたんですが、その日もまた彼は恐ろしい発言をしました。夜彼と一緒にお好み焼きを作っていた時のことです。豚肉を見ながら彼は「きれいな肉だな。人間の肉は黄色いのが入ってて汚いよ」と言いました。

彼のその恐ろしい発言に凍りつきましたが、顔に出ないように冷静に「なんでそんなこと知ってるの?」と聞くと、彼は「俺は悪魔の世界にいたからいろいろあるの」と言いました。それ以上は恐ろしい発言はありませんでしたが、彼が本当に人を殺したかどうかは別にして彼が人の肉を見たことがあるのは本当のことなんじゃないかと思えました。ですが、それも本やネットで見た写真か何かの話をしているだけなのかもしれませんし、サイコパスである彼のことは本当にまだ真実が分かりません。

話がまた飛びましたが、私が今日書きたかったことは彼の元上司のことです。「不倫は万死に値するほどの罪」と御教えにありますが、そういったことを知らずにいる人は世の中にはたくさんいるでしょうし、悪いこととは分かっていても不倫をする人はたくさんいるんだと思います。そして、不倫は悪いことではありますが、不倫の場合避妊することが鉄則だと思えますが、不倫相手を妊ませる男性も世の中にはたくさんいるようで、彼の元上司もその一人です。やってしまったものはもう仕方がありませんが、彼の元上司は不倫相手である彼の元奥さんを妊ませておきながら何の責任も取らず、彼への謝罪や話し合いなどもなく、「あいつは俺の子供を育てるらしい」と職場内で吹聴していたんです。冷静にそのことだけを考えるとその上司はとんでもない悪どい人間だなと思います。

彼の元奥さんが彼との交際を始めだしてからも彼の上司と体の関係を持っていたのかどうかは分かりません。おそらくは彼と交際を始めてからは彼の上司とは会っていないんだろうとは思います。ですが、その上司が「あいつは俺の子を育てようとしている」という発言をしているということは、彼の元奥さんは妊娠した時点で最初にその彼の上司に妊娠したことを告げていたんじゃないかと思えます。そこでどんな会話がなされたのかは分かりませんが、おそらく何らかの話し合いをした結果奥さんは彼とは血が繋がっていない子供だと分かっていながら彼の子供ができたと彼に嘘をついたんだろうと思います。彼自身もそこまでは奥さんに追求して聞いていないようなので細かいところまでは分かりません。彼の奥さんと彼の上司が関係を持っていたのはおそらく彼が香川に配属される前からのことだと思うので、不倫の関係にあった男性と新たに交際を始めた男性が同じ職場内の人間だったということは奥さんにとってもかなり気まずいことだったんじゃないかと思えます。不倫、不倫と何度も書いていますが、彼の元上司にとって飲み屋で働いていた彼の元奥さんはただ性欲を満たすためだけの遊び相手だったんだろうと思います。

事実を知らないがゆえにいろんなことを想像してしまうんですが、もしかすると彼の元奥さんは彼と交際を始めた時点ではまだ彼の上司との関係が切れておらず、両方と関係を持っていた可能性もあるんじゃないかと思えます。そして、彼の上司のことに関してもその上司は自分の遊び相手の女と自分の部下が交際を始めたことを知って、それを分かったうえで彼の元奥さんを誘いわざと避妊をせずに妊娠させたんじゃないかとも考えてしまいます。それもありえるんじゃないかと思ったのはその当時彼が上司や先輩に対する口の聞き方も知らない生意気な人間だったからです。癪に障るような物言いをする彼におそらく職場でもたくさんの人が不快に感じていたはずなので、その上司は自分の遊び相手の女と彼が付き合いだしたことを知ってわざと妊娠させたんじゃないかと思ってしまいました。これはたんなる私の想像です。本当のことは分かりません。

ただ彼が他人の子を育てようとしているという話は職場内で知れ渡っていて生意気な発言ばかりしてきた彼は職場内で孤立したような状態となり、そこから彼は自分を変えていったようです。敬語の使い方もまともにできなかった彼が敬語を使いだし、いつも腰の低い姿勢でいる人の真似をして彼もそういう人間に変わっていき職場での人間関係を築いていったそうです。彼の上司に対しては悪どい人間だなと思いますが、酷い目に合うというこの構図は神話の中のオオナムチ(オオクニヌシの幼少名)と意地悪なオオナムチの兄との関係にも似てるなとも思えます。彼は因縁によりそういった苦しい経験をしたのかもしれません。