265「死の恐怖」 令和3年4月

四月四日の日曜日になりました。この一週間は口封じに彼に殺されるかもしれないという死の恐怖を感じながら過ごした恐怖の一週間でした。彼が三十日の火曜日に泊まりに来たのは次の日の水曜日が彼が仕事が休みだったからです。私を殺すつもりなら仕事の休みの前日にするつもりだったんだと思います。御守護をいただきなんとかその日は命が助かったもののそれから毎日死の恐怖がありました。彼が仕事が休みだった水曜日はちょうど私も仕事が休みで、明けて木、金、土は普段より一段と仕事が忙しく、三日連続で普段より二時間ほど早出勤となりました。ミスは起きなかったものの仕事中もずっと頭の中は今後どうすればいいのかと彼のことでいっぱいでした。日曜日は彼も仕事が休みなので、次に本気で私を殺すなら土曜の夜だなと思い、土曜日には私ももう恐怖でいっぱいになり妹に助けを求め、夜妹と甥っ子に泊まりに来てもらいました。

火曜日に彼が泊まりに来た時以降も彼とは連絡を取ってはいたんですが、不自然で怪しまれるとは思ったものの恐怖でいつものように自分から積極的にラインを送ることを躊躇していたら彼からラインが送られてきました。普通の晩ごはんの内容のやり取りなどをしました。土曜日の夜は彼に晩ごはんの話をしたあとに「明日は第一日曜日で神様とご先祖様のお祭りをする日で、今日は妹と甥っ子が泊まりに来る」と伝えました。毎月第一日曜日に神様とご先祖様のお祭りをしているという話は以前にも彼に言ったことがあるんですが、妹が泊まりに来ると話したのは彼を警戒していることがバレバレだったなと焦りました。彼からも「妹さんが泊まりに来るのは珍しいね」と返ってきたので、「お祭りの時には泊まったりするよ」とはぐらかしました。

妹が夜泊まりに来てくれることは私にとっては心強いことでしたが、それを聞いた彼はおそらく私が妹にしゃべっていないか、一緒に警察に通報しないかと考えただろうと思います。彼から「かっけー。俺も祭りしよう!今日!」とラインがきたので、彼にとっての祭りとは私達四人を口封じに殺しに来て血祭りにすることなんじゃないかと疑いの気持ちが起こり恐怖でした。最後の「今日!」という部分も私には今日殺しに来るという意味に思え恐怖でした。彼に「飲みにでも行くつもり?」と聞いたら、彼から「よくわかったね」と返ってきました。彼には脅しの意味はなかったのかもしれませんが、私には「殺しに行くのがよくわかったね」と言われているような気持ちになり恐怖でした。

玄関の鍵が壊れているためいつでも彼が家に侵入できる状態であることが一番怖かったんですが、妹が壊れた鍵穴にドライバーを入れ込んで外から玄関が開かないようにしてくれたのでとても助かりました。今年小学五年生に上がる息子は早くに寝ていましたが、私も妹も怖くて布団の中に入ってもなかなか寝れずにいました。妹は私よりももっと怖がっていました。妹が彼のやったことを知れば口封じのため今後妹も命を狙われるかもしれないという新たな恐怖も生まれましたし、もし彼が窓を壊して家に侵入してきたりだとかいろんな怖いことを想像して恐怖に陥っていました。妹は寿命が十年縮んだと言いました。そして、夜十一時を過ぎても三歳の甥っ子が眠れずにいました。彼への恐怖と甥っ子がなかなか寝れずにいることから妹が「うちに行こう」と言いました。私も賛成し、御神前で天津祝詞を上げてメシヤ様に御守護願いをしてから四人で妹の車で妹が住む県営住宅に向かいました。

さすがに妹の家に着いたら恐怖から解放されました。布団に入ってしばらく経った頃彼から電話がきました。怖かったので電話には出ず少し時間を置いてから彼にラインを送りました。彼は飲みに行ってだいぶ酔っ払っていたようで、「さみしー」と言っていました。そして、「今からいくね」とラインがきました。その時すでに夜中の十二時半を過ぎていました。妹が家に来ていると分かっていて「今からいくね」と言ってくるのは私にはもう「今から殺しにいくね」と言っているようにしか思えませんでした。妹の家に来ていてよかったと心の底から思いました。彼には「飲酒で運転したらだーめ もう寝るね おやすみ」と絵文字付でラインを送り寝ました。

朝携帯を見ると夜中の一時四十分ぐらいにまた彼からラインがきていました。「ひろみ なんで寝るの」ときたあと着信もありました。刑罰が厳しくなっている今のご時世にまだこんな人がいるのかと思いますが彼はこれまでに何度も飲酒運転をしたことがあるそうなので、お酒を飲んで彼に憑依する動物霊の力が強まればよけいに私を殺そうとする気持ちも強くなりほんとにうちに来たんじゃないかと思えました。うちに泊まっているはずの妹の車が家になく、私の車は家の前に停めてあるのに家の中に入っても私と息子の姿がなかったので、逃げたのかと疑い彼は真夜中に電話をかけてきたんじゃないかと私はもう恐ろしいことしか考えられませんでした。朝起きた時に隣で寝ていた三歳の甥っ子が目を覚ましたと同時に泣いたので何事かと思ったら夜中寝ている間に鼻血がでたようで枕に血がついていました。まるで大難を小難にしていただいたように思えました。

彼は多重人格なのでその日は恐ろしい悪魔モードではなくほんとに寂しくて泥酔状態で夜中にラインや電話をしただけだったのかもしれませんが、私はもうこれ以上彼に関わり続けるのは恐怖で身が持たないと思いました。