244「再び失恋の苦しみ」 令和2年9月

次の日の九月十二日、東山さんにメシヤ様からの御指示を伝えなければならないという状況になり、その連絡手段は一つの波紋掲示板のサイトに私が参入するしかないと思ったので、まずはまだ読んでいない二ヶ月半の分の投稿内容を一通り読まなければと思いました。ですが、私はまだ彼のことを忘れることもできず、彼のことばかり考えてしまい苦しくてたまらず、それを妹に話したところストーカーみたいで怖いと思いましたがその日の夜妹が彼の家に様子を見に連れて行ってくれました。

彼の家の駐車場には彼以外の別の車が停めてありました。やっぱりまた彼はその女性と別れられずまた家に泊めてるんだと思いました。とてもとてもショックでした。八月下旬に私は彼から本気でラインをするのももう最後にすると告げられ、その三日後には彼はその女性とも別れたそうで、今回は納得させられた、もう戻らないと誓いますとラインにもインスタグラムにも投稿していました。ですが、いつのまにかその投稿は消されていました。それを見て私もまたその女性からすぐに電話がきて死に物狂いで泣きつかれ結局彼はまたその女性とよりを戻したんだろうなと思いました。

異常なほど依存が激しくうつ病でもあるその女性をほっとけないという彼の気持ちも分かるんですが、彼自身も睡眠障害を患っており、以前うつ病になって以来彼自身も精神面がすぐに落ちてしまい、死を意識するような発言をすることがあります。なので私も彼のことがどうしても心配になり、彼にまたラインを送ってしまいました。

そして、さらに大きなショックを受けました。彼はもう覚悟を決めその女性と同棲することにしたそうです。もうこれ以上ずるずるするよりも一緒に暮らせるのかどうかをはっきりさせるために同棲することを決めたそうです。それを知り私も本当に心がぼろぼろになりました。その日から私は夜あまり眠ることもできず、ご飯も少ししか食べられなくなってしまいました。東山さんに連絡をとらなければいけない、サイトの未読の内容を早く読み終わらせなければいけないと思っているのに失恋の苦しみがあまりにも大きく、彼のことを考えては涙を流すという繰り返しになってしまいました。

同棲のことを知ってから五日後、彼にラインを送りました。もしも同棲生活がダメだったら私に戻ってくるとうそでもいいから言ってほしいとお願いしました。次の日に彼から返事が返ってきました。私の願いを聞いてくれ、ダメだったら戻ってくると言ってもらえました。それだけでも心が救われました。うそで言ってもらったことでも、そんな日が来ることはなくても、その言葉をもらえただけでがんばって生きていけると思いました。

ですが、そんなセンチメンタルな気持ちでいるのも続かず、彼をとられて悔しい、彼を取り戻したいという気持ちが湧き起こり苦しくて苦しくてたまりませんでした。彼のことを自分の運命の人だと思っていたからこそ何ヶ月も苦しみながら泥沼の恋愛を続けてきたのに結局彼をその女性に奪われてしまうなんて本当にショックでした。

その女性は十年前に不倫相手の子供を堕ろしています。その後ホストの男性と結婚し二人の子供を授かっています。そして、そのホストの旦那さんがギャンブルで借金を作ったため離婚したそうです。そして、あろうことかその女性はまた家庭のある人と不倫をし子供を堕ろしているそうです。それを聞いただけでもなんて最低な女だろうと思ってしまいます。信仰をしている人間がそんなことをすれば即刻命を落としている可能性もあります。私はそんな最低な女に自分の好きな人を取られてしまったという腹立たしさもかなりあります。

かといって私も罪を作ってしまっているのでその女性を批難する資格はありません。半分腹いせで半分はその女性への同情心でその女性と付き合ってあげないのかと彼に言ったのは私です。ですが、それを言ってしまった時点では私はその女性がうつ病であることは知っていましたが、現役の飲み屋の女だということは知らなかったんです。正確にいうと勘違いをしていたんです。彼は最初その女性のことについて飲み屋で知り合った女だとは言えず私にいろいろうそをついていたんです。あとになってその女性とは飲み屋で知り合ったことを知ったんですが、その女性は二人子供もいるので、子を持つ母親が普通飲み屋で働いたりはしないだろうと私は勝手に思い込み、まさか現役の飲み屋の女だとは思いもしていなかったんです。彼はその女性と知り合って長いともうそをついていたので、私はてっきりその女性が飲み屋で働いていたのは子供を産む以前の話で彼とその女性が知り合ったのも何年も前のことだと思い込んでいたんです。

私を口説き落としておきながらそのうつ病の女性と子供のことをどうしてもほっとけないと言い、毎日電話で話し、家にも泊めたりしてその女性に彼と付き合っていると思い込ませてしまっている状況を腹立たしく思ったのとその女性への同情心で私はなんでその女性と付き合ってあげないのかと彼に言ってしまったんです。そして、彼は私の言葉を真に受けて道理を通すと決めてその女性と本当に付き合いだしたんです。それから十日ほど経った時に彼とラインのやり取りをして彼がその女性が働くスナックに飲みに行っていると聞き、その時初めてその女性が現役の飲み屋の女だと知ったんです。私は飲み屋で働く女の人は好きではないので、それを知っていればその女性に同情して付き合ってあげないのかと彼にバカなことを言ったりはしていなかったと思います。本当に泥沼の恋愛でした。

ですが、彼はその女性が不倫や中絶をするような人間であってもうつ病で死にそうな状態ですがりついてくるその女性のことをやっぱりほっとくことができず、同棲まで始めてしまいました。正直私もこんな泥沼の恋愛になってしまうなんて私の身魂の霊籍はこんなにも低かったのかと自分自身驚いています。彼に何度も離れてと言われても離れることができなかったのは私です。それだけ彼には人を惹き付ける魅力があります。そして、私が彼のことを運命の人だと思い執着してしまった理由は私が手相を信じているせいでもあります。

私の手相の結婚線は元々ははっきりと一つの線しかありませんでした。その結婚線は元夫のことで結婚年齢も手相通り当たっていました。離婚する相も出ておりそれも当たりました。離婚してもう五年半以上経ちますが、再婚願望はずっとありました。家庭内の問題でずっと地獄のような苦しみが続いていましたが、好きな人はいました。女の手相は左手を見ると思っておりいつも左手の手相しか見ていなかったんですが、一年ぐらい前に左手が運命で右手が現実に起こる線だと手相占いのサイトで見ました。私の左手の結婚線ははっきりとした線は一つしかないんですが、右手の結婚線は以前にはなかったはずの線ができていたんです。その年齢が三十八歳だったんです。

なので、今年三月末まで一年九ヶ月想い続けた人がいたんですが、私はその人が結婚相手だと思い込んでいたんです。ですが、その人が別の女性と結婚し、子供が産まれたことを知り玉砕しました。その人への想いが消えた六日後に彼と出会い彼に恋をし、彼が手相に出ている結婚相手だと思ってしまったんです。なので私も彼から何度突き放されても諦めることができなかったんだと思います。

あと三ヶ月で私は三十八歳になります。自分の右手に出ているこの結婚線は間違いなのか、結婚には至らないけれども男性が現れるというだけで、もうすでにこの泥沼で終わった彼と多少の縁があったというこれだけでもう終わりなのかといろいろ考えてしまいます。私はメシヤ様からいただいた使命があるにも関わらず頭の中はいつも恋愛のことでいっぱいになってしまうどうしようもない女です。ですがやっぱり私も幸せにはなりたいです。とても苦しいですが、彼のこともまだ全く諦めることができない状態です。同棲を始めた彼にこれ以上連絡をいれるわけにはいきませんが、誕生日がきて三十八歳を迎えれば私にも幸せが訪れるということを信じて今は自分がやるべきことをしっかりやっていこうと思います。