180「甥っ子の宿命」 平成31年2月

二月四日の立春の日に山幸彦の御陵に行き、私の甥っ子のことが分かりました。断定はできませんが、おそらく甥っ子は山幸彦の生まれ変わりです。もしくはその霊系統なんだろうと思います。甥っ子のことが分かりいろいろな思いが込み上げてきました。妹が甥っ子をお腹に宿したのは今から二年前の冬のことでした。その約一年前から父がとてつもなく恐ろしい精神病とアルコール依存症になり私も妹も地獄の苦しみを味わっていた真っ只中の時でした。

妹はお腹に子供を宿した時にはまだ相手の男性と結婚はしていませんでした。元々結婚の約束はしていたんですが、子供ができたにも関わらず喧嘩別れをしたような形で終わり、妹は未婚で子供を産みました。そもそも自分の父親が毎日大発狂する大変な状態の中で子供を作って未婚で産むというのもとんでもない話です。こんな大変な時に何やってるんだよと私も思いましたし、毎日恐ろしい思いをさせてしまっているご近所の方達も同じように思っただろうと思います。ですが、こんなことになってしまったのは私のせいだという思いもありました。

妹は相手の男性とは一年ほど交際をしていましたが、妹はいつもその人の不満ばかりを口にしていました。そして、いったん別れました。別れても彼からの連絡はたびたびあったようです。別れた彼と再びよりを戻したのは私が妹と言い争いをした直後でした。毎日大発狂する父親との地獄の生活を送っている最中私が妹を責めるようなことを言ってしまったため精神的に疲れきっていた妹が彼に頼ったんだと私は今でも思っています。

彼とよりを戻してすぐに妹は妊娠しました。よりを戻すことがなければ妹は未婚の母になることはなかったのに私がよりを戻してしまうきっかけを作ってしまいました。なので、自分にできる限りのことをやっていこう、妹と妹の産む子を助けていこうと思ってきました。そして、妹が妊娠した時から二年の歳月が経ち、二月四日の立春の日に妹が産んだ子が三千年前に私の子供であった山幸彦、もしくはその霊系統の生まれ変わりなんだと分かりました。未婚の母から産まれてくるという宿命を背負い覚悟をもって霊界から降りてくるそのみたまはきっと高貴なみたまのぬしが宿るんだろうとは思ってはいましたが、こういった因縁もあるのかとなるほどなぁと思えました。

妹が相手の男性と結婚にいたらなかった理由も書きたいと思います。彼は実の母ではなく父親の再婚相手である継母から育てられたようです。彼は継母から抱っこをしてもらったことがないと語っており、母親からの愛情不足のまま育ったようです。そして、彼より年上だった妹は彼からかなり執着されていたようです。そして、彼は妹より五歳年下だったんですが、バツイチで別れた奥さんとの間に二人の子供がいました。問題なのはその彼が妹と結婚を前提にお付き合いをしているにも関わらず子供に会いに別れた奥さんの家に行ったりしていたことです。しかも子供に会いに行ってそのまま別れた奥さんの家で眠ってしまったこともあったようです。そんな軽率なことは私でも許せません。私でもではなく、私は妹以上にそんな軽率なことをする男に腹が立ちます。子供に会うことは許せても別れた奥さんの家の中に上がるという行為は許せません。彼が別れた奥さんの家に上がっていたのは下の子供がまだ母親の手から離れない二歳ぐらいの子供だったからなんだそうですが、もし私が妹の立場であればとても不愉快な気持ちになっただろうと思います。母親の手から離れない小さな子供なら別れた奥さんも同伴で子供に会うことは許せると思いますが、一時間程度公園で遊ばせるなどの節度ある行動をとってほしいと私なら思います。

そして、もう一つの問題は彼の継母や彼の住む地域のことでした。彼の父親は実の父親で優しい人のようですが、継母は気が強い人だったようです。妹は彼の継母のことを怖がっていました。そして、彼の住む地域は昔部落差別のあった所だそうです。部落というのは昔の話なので差別も何もないんですが、部落だった地域に住んでいる方達は気性の激しい人、喋り方が乱暴な人が多いそうです。結婚して彼の実家からある程度離れた所に住むならまだ心に余裕を持てたかもしれませんが、仕事の関係上彼は結婚後彼の地元で暮らすことを望んでいました。彼の地元には彼の別れた奥さんも住んでいます。妹はそんな所で生活していける自信もなく悩んでいました。そして、妹は自分の父親が大変な時に私と父を放って遠くに引っ越すこともできないと悩んでいました。

他にもまだ原因はあるかもしれませんがいろいろな理由があって妹は彼との結婚には至りませんでした。未婚で子供を産むことに妹はもちろん精神的にとても不安だっただろうと思いますが、子供を堕ろすことは殺人行為なので絶対に堕ろしたらいけないと私は何度も妹に言い聞かせました。妹が彼とよりを戻した時に結婚するまでは性行為はしてはいけないんだという話をしておけばよかったのかもしれませんが、現代人はそんな話は聞く耳持たずなので、その当時の妹に言ってもやはり聞く耳を持たなかっただろうと思います。親に罪はあっても産まれてくる子には罪はありません。甥っ子が立派に成長していけるように私も手助けしていきたいと思っています。