112「真夜中に猫霊の大発狂」 平成30年2月

二月五日、父は朝から怒鳴り、酒を出せと言ってきました。妹が「お酒は昨日警察官に持って行ってもらった」と言いくるめていました。私が仕事に行ったあとは父の機嫌もよくなったようで、妹が父に直接浄霊もしてくれたようです。ですが、その日の夜父はまた大変なことをしでかしました。

私が仕事から帰ると父は庭で炭火の用意をしていました。そして、その日は気温が低くとても寒い日だったにも関わらず、家の中には入らず倉庫の入口に炭火を置いて暖をとりながら新たに買ってきたお酒を飲んでいました。ずっと静かだった父が夜九時頃から発狂しました。怒鳴っていたわけではありませんが、大きな声で人の批判をずっと言い続けました。妹や私が父を連れに行っても父は「炭が消えるまでは家には入らん」とこだわり、なかなか家の中に入ろうとしませんでした。そして、私が必死に父にお願いしても父は私や親戚、近所の方の批判を言い続けました。普段発狂する時のものすごく恐ろしい大声ではありませんでしたが、父の声は夜の静かな住宅街に響き渡りました。

いつまで経っても収まらないのでその日もまた警察に電話をし来てもらいました。警察官が来ても父はいっこうに収まらず、警察官に自分の言い分を大きな声で長い時間しゃべり続けました。私も妹も警察官が来れば父がおとなしく家の中に入ってくれることを期待していたんですが、全くだめでした。警察官が帰ったあと、ほんのいっときだけおとなしくなったもののまたすぐに始まったので、自分達で強制的に家の中に入れることにしました。まず妹が炭火を水で消し、そのあとは私と妹と二人で父を家の中に引っ張りました。父は大声を出して抵抗しましたが、妹が父の脇を抱え、父を布団まで引きずり無理やり布団に寝かせました。父は作業着のままだったので着替えると言い張りましたが、妹が父の靴下だけ脱がせ、無理やり寝かせました。その間父は大声で怒鳴るものの構ってもらえて少し喜んでいる様子が伺えました。父は布団に入ってからもしばらくずっと大声で怒鳴り、何度も立ち上がろうとしましたが、妹が布団の上に乗り父を押さえつけていました。私はその間ずっと自分の部屋から父に向けて浄霊を続けました。父がおとなしくなり自分達が布団に入って寝たのは十二時頃でした。

それから二時間後、父はとてつもなく恐ろしい狂人と化しました。目が覚めて作業着のままで寝ていることに大激怒し、「なんで作業着のまま寝かせた」と、ものすごく恐ろしい大声で発狂しました。私の部屋の襖をものすごい勢いで開け、ものすごく恐ろしい大声で怒鳴り狂い、また私と近所の方の猛攻撃が始まりました。布団の上から私を踏みつけ、掛け布団と毛布も剥ぎ取られました。息子も目を覚まし、私の布団の横で妹と妹の子供も寝ており、妹の子供も父の大声で泣き出しました。父は気がすむまで怒鳴ったあとは私に唾をかけてから襖をものすごい勢いでわざと大きな音を立てて閉め、居間へ行き、そしてまたすぐ戻ってきて同じことを繰り返しました。何度も何度もそれを繰り返し地獄のような時間が三十分続きました。父が全く落ち着く様子がなかったので私が居間へ行きました。手に持っていた箸を武器に私を殺してやると言われ、テーブルの周りを逃げながら父の恐ろしい暴言に言い返しました。しばらくしてようやく父の発狂が収まり布団に入ることができました。

妹が極度の潔癖の父を作業着のまま布団に寝かせた時にこれはまずいんじゃないかと思ったものの自分が父の服を脱がせてあげるのもものすごく嫌だったので何も言わずにいた結果とんでもなく恐ろしい事態を招くことになってしまいました。夜中の二時に大発狂したのはおそらく猫霊だったんだろうと思います。父に憑依している猫霊は一二を争うと思えるほど猫霊の中ではとても強い力を持っているように思えます。真夜中に隣の家の方だけでなく、近所中の方達の目を覚まさせ恐ろしい思いをさせてしまいました。近所の方達に本当に申し訳ない気持ちと父への恐怖と怒りでいっぱいでした。本当に地獄でした。